金融機関による遺言サービス

現代でも、家族の遺産をめぐるトラブルは後をたたないために、生前に遺言を残しておいた方が残された家族にとっては助かる面があります。近年では、銀行で遺言サービスを請け負うところが出ています。正式な遺言の書き方のアドバイスも受けられます。それなりに費用はかかりますが、何かあったときは、銀行の行員が、様々な手続きを代行してくれるので安心になっています。
親類が亡くなった時、色々とやることがありますが後になって苦労するのが預金の相続です。預金は本人が無くなるとすぐに凍結されてしまうので、例えば親が自分が死んだらこのお金で立派な葬式に出してくれと言っていたとしても、すぐに凍結されてしまうのでそのお金はまだ使えないのです。もし親と相談していてその預金の使う先がすでに決まっているならば、亡くなった後に慌てることなく生前に相続手続きしておくことが大事です。
 なかなか先が見えてこない東京電力福島第1原発の事故だが、ハッキリしていることもある。現在問題になっている4つの原子炉は廃炉せざるを得ないということだ。大きな損傷がなかった5号機、6号機の運転を再開することは技術的には可能だろう。だが政府や福島県を納得させられるだろうか。東電首脳は2基合計で出力188万キロワットという発電能力に未練があるようだが、枝野官房長官は5号機と6号機についても廃炉にすることをにおわせている。

 もちろん第1原発の中に増設を検討していた7号機や8号機(2016年から17年に完成することを目標としていた)もどこかに飛んでしまった。敷地が元の状態に戻らなければ新しい原発どころではないが、土地の放射能汚染を除去するためには少なくとも表面の土を入れ替えなくてはなるまい。その作業には膨大なコストと時間がかかるはずだ。

 政治的という意味では、地震発生後緊急停止し、冷温停止状態となっている福島第2原発の再開にも懸念がないわけではない。あれだけの地震と津波を乗り切ったことが「実績」として評価されるのか、それとも地元住民の「もう原発はこりごり」という感情を無視できなくなるのか、そこのところは微妙だと思う。もし出力440万キロワットの第2原発まで再開できないとなると経営的にも大問題だ。

●原子力発電所の弱点

 今回の事故で日本の原子力の弱点も露呈した。それは使用済み核燃料である。定期検査中で動いていなかった第1原発の4号機が爆発を起こしたのは、使用済み核燃料プールで水が減少し、一部で燃料棒が露出した結果と考えられている。第1原発に貯蔵されている核燃料棒は、原子炉建屋のプールと共用プールに貯蔵されているものを合計すると1万本を超えているという。

 これほどの燃料棒が貯蔵されているのは、再処理(使用済み核燃料を処理して再度燃料として利用できる状態にする)が遅れているからだ。青森県上北郡の六ヶ所村で再処理施設が建設されているが、完成予定がずれ込み今のところ2012年ということになっている。

 さらに問題なのは、核のゴミである。原子炉を廃炉にすれば高レベル放射性廃棄物が出るが、燃料を再処理したときにもやはり高レベル廃棄物が出る。この核のゴミの最終処分はそれぞれの国が責任をもってやることになっているのだが、処分場をどこに立地するのかが決まっていない。例えて言えば、下水道や汚水処理場が整備されていないのに水洗トイレを使っているような状態だ。

●日本のエネルギー政策は失敗

 日本はエネルギーのほとんどを輸入に依存している。原油、石炭、天然ガス、そしてもちろんウランも輸入している。エネルギー安全保障という観点から言えば、どのエネルギーも外国に握られているから極めて脆弱(ぜいじゃく)な体質ということができるが、とりわけ石油は中東からの輸入が90%を占めるだけに、中東の政治情勢が不安定になればたちまちその影響を受ける。第一次石油ショックでは一般消費者がパニックになり、ガソリンスタンドにはやはり長い行列ができた。

 それに比べるとウランは、オーストラリアやカナダといった先進国から輸入するため、安定供給が見込める。だから国策として原子力発電所を増やしてきた。その結果、米国、フランスに次ぐ原子力大国になったのである。

 英エコノミスト最新号(4月2日号、参照リンク)は日本のエネルギー問題を取り上げていて、こう締めくくっている。「今回の危機によって日本のエネルギー政策が失敗だったことを示している。電力料金は高いし、安定したエネルギーの切り札とされた核燃料サイクルもまだ実現していない。福島第1原発の危機は、東電だけの失敗ではなく、政府の失敗でもある。もっとしっかりしたエネルギー戦略が必要ならば、まずこれまでの政策が誤りだったということを認めることから始めなければならない」

 東電は見通しが立たない原子力の代わりに、自社でガスタービン発電機を増設し、また民間の自家発電機からも買い取るなど電力を必死にかき集めている。もちろん他の電力会社からも買っているが、日本の東西で周波数が異なるため、中部電力以西の電力会社から融通を受けるためには周波数を変換する必要がある。その変換ポイントが3カ所しかないために、買える電力は約100万キロワットにとどまる。電力に余裕がある北海道から買うにしても、津軽海峡をわたる線が太くないために60万キロワットしか融通してもらえない。こうした対策をいろいろ打っても、通常の夏の需要を賄えないのが現状だ。

 その意味ではこの夏をなんとか乗り切ったとしても、来年の夏は電力を安心して使える状態になっているという保証はどこにもない。東電首脳の顔ぶれは一段落したところで変わるのだろうが、新しい経営陣が枕を高くして眠れる日はいったいいつ来るのだろうか。

 枕を高くして眠れないのは政府も同じである。原子力の新設は非常に難しくなることは間違いない。そうなると9電力体制でより効率よく使うためには、周波数を統一するということも視野に入れなければなるまい。もともと成り行きから日本の中に50ヘルツと60ヘルツが混在していて、そのために東西の電力融通に限界があるのであれば、そろえることを考えるのが筋である。

 幸い、というか日本の電力需要は右肩上がりでどんどん伸びるという状態にない。「オール電化」にもブレーキがかかるだろう。夏場の需要期を乗り切るだけの電力と言うなら、太陽電池の設置が進めば、一定の効果はあるはずだ。40万戸の家に設置できれば新しい原発1基分である(快晴の場合に限られるが)。一時、国が太陽電池への補助金を削減したために、日本では太陽電池の普及が遅れた。再び設置を促進するようになったが、補助金を増やすことも必要だ。ほぼ100%を輸入に頼るエネルギーだけに、抜本的な見直しは難しいが、それでも従来の延長線の上に未来はないと思う。

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